外部刺激により柔軟な構造変化を示す結晶性物質の開拓



 結晶と聞くと、固くてもろいイメージがあるかもしれません。

しかし、緻密に設計された有機分子・イオンの結晶では、光や熱などの刺激によって分子が回転・屈曲・結合切断/生成などの構造変化を示します。このような分子レベルのミクロな変化は、結晶全体のマクロな変化へと変換され、クロミック現象やメカニカル機能の発現に重要な役割を果たしています。

 これまでに、フォトクロミック分子や有機金属錯体の構造変化・相転移に興味を持ち、結晶学的な手法を駆使しながら、分子の構造−物性相関を明らかにしてきました。




Selected Publications

Synthesis, Photochromic Properties, and Crystal Structures of Salts Containing a Pyridinium-Fused Spiropyran: Positive and Negative Photochromism in the Solution and Solid State
Y. Funasako, H. Miyazaki, T. Sasaki, K. Goshima, M. Inokuchi, J. Phys. Chem. B, 2020, 124, 7251–7257.

Solid-State Photochromism of Salts of Cationic Spiropyran with Various Anions: A Correlation between Reaction Cavity Volumes and Reactivity
Y. Funasako, M. Ason, J.-i. Takebayashi, M. Inokuchi, Cryst. Growth Des., 2019, 19, 7308–7314.